南スーダンが原油輸出再開へ、スーダンへの手数料設定で合意
(CNN) アフリカ北部スーダンの国営テレビは4日、石油収益を巡る南スーダンとの交渉でスーダン領内のパイプラインを経由した南スーダン生産の原油輸出を再開させることで合意したと報じた。
当局筋の情報として伝えた。両国代表団はエチオピアの首都アディスアベバでアフリカ連合の議長も立ち会って交渉。原油輸出の再開時期については詰めの交渉を行うとしている。
両国は、昨年7月の南スーダンの独立後、石油収益の分配問題や国境線画定などで対立、軍事衝突を起こすまで関係が悪化していた。石油資源の75%は南スーダン内にあるが、輸送パイプラインや積み出し港はスーダン側に位置する。スーダンは、南スーダンの独立に伴って多くの石油資源を失い、経済悪化に直面していた。
交渉では南スーダンによるパイプラインや港の利用料の水準が焦点となっていたが、スーダン側が輸出税や精製経費としてパイプラインで輸送される原油1バレル当たり25.80ドル(約2012円)を受け取ることで合意した。
また、国境線画定問題に関する協議は4日行われる見通し。
南スーダンは今年1月下旬、スーダン側が8億1500万ドル相当の原油を盗んでいるとして原油生産を中止。スーダンは南スーダン側が必要な経費を払っていないため原油を押収したと反論していた。
両国の軍事衝突に伴い、南スーダンの上ナイル州にはスーダン側から避難民が殺到。援助団体などはこれら避難民の数は少なくとも15万人と推定している。
国営テレビはまた、両国国境周辺で活動していたスーダンの反政府武装勢力と同国政府が2州での一部停戦に合意し、戦闘に巻き込まれていた住民への人道援助が可能になったとも伝えた。