自動車市場で増す女性の存在感 でもキャリア形成は困難?
リーブレイン氏はまた、女性の後進の育成にも携わっている。5人の若い女性を選び出し、キャリア形成に関して支援を行っているという。リーブレイン氏は「上級幹部を見たときに、自分たちの人生が仕事だけになってしまうと考えるかもしれない。だから、若い人たちと共有しようとしているのは、仕事でも成功を収められると同時に家庭でも同じように成功できるのだということだ」と語る。
一部でこういった取り組みが進んでいる一方で、業界紙の調査によれば、企業内の女性の存在感が薄れているといえそうだ。05年には5人の女性の最高経営責任者(CEO)がいたが、10年には2人と半減。上級幹部も05年には64人いたが10年には51人と減った。
自動車業界で働く女性を対象にした調査によれば、56%が自分が所属する企業は女性を対象とした積極的な採用策を取っていないとみている。また、自動車業界でのキャリア形成について、女生徒に対する教育機関からの支援が不十分だと考える人も多い。
英自動車販売の業界団体で責任者を務めた経験を持つサラ・シラーズ氏は「イメージに問題がある」と指摘。教師や親、キャリアアドバイザーとの連携が不十分だとの見方を示す。シラーズ氏は、より多くの女性に技術系のキャリア形成について考えてもらう機会を作ることが大切だと指摘する。
GMのリーブレイン氏は、女性に技術系のキャリアを選択肢に入れてもらうには、学校から始めるべきだと考えている。「中学校や高等学校の女生徒に働きかけ、能力があることを知ってもらい、工学の楽しさを分かってもらいたい」と語った。