認識・発掘・動機 これがCIA流人材獲得術
そうではなく、ライバル企業で非常に重要とされているような、真に必要な人材を積極的に狙うべきだ。ライバル企業も、あなたの会社の顧客を嬉々として盗んでいるのだから、人材を盗むことなど気にしなくともいいだろう。
個々のモチベーションを知る
機密情報の提供に対して法外な報酬を要求するスパイもいれば、それが正しいことだと信じて無報酬で同じことをするスパイもいる。スパイごとにスパイ行為を働く理由があり、CIA職員の仕事は、それぞれのモチベーションを理解しそれを満たしてやることだ。
例えば、CIAと仕事をすることで冒険心や好奇心が満たされるような人物に対するアプローチのし方では、主義主張によって行動するような人物を説得することはほとんど不可能だろう。
ビジネスの世界でも、特に重要な技能が必要とされる場合には、個々のモチベーションに配慮することは効果的だろう。
しかし、多くの企業は、報酬以外の雇用条件の交渉にはまだ消極的だ。フレックスタイム制などの効用とアピール度についてはもう何十年も知られているが、トップクラスの人材をライバル企業から引き抜く手段としてそれをフルに活用している企業はまれだ。
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本記事は、CIAの秘密工作員として世界各地で9年間活動した後、諜報活動について執筆する作家に転じたJ・C・カールソン氏よるものです。記事における意見や見解は全てカールソン氏個人のものです。