米で横行する「たばこ」密売、トラック1台で利益1億円超?
国際テロリストが絡むケースもあり、2002年に訴追された男は、密売で得た利益をレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラに流した罪に問われた。たばこを積んだトラックが乗っ取られる事件も起きているという。
さらに海外からの偽たばこ流入も増えている。大半は中国産で、米たばこ大手アルトリアの広報によれば、こうしたたばこからはネズミやウサギのふんなどが見つかっているという。偽たばこは普通のたばこに比べて消費者にとっての健康リスクが大きいと同社は強調する。
さらにメキシコなどからは、正規のたばこも米国に密輸されているという。
米国では各州がたばこ税の値上げに踏み切っているほか、オバマ大統領は1箱あたり94セントのたばこ税増税を提案。アルトリアなどの各社から資金提供を受けているシンクタンクの担当者は、「税金が上がり続ければ米国への密輸量は増えるばかりだ」と主張する。
これに対して嫌煙団体などは、たばこの値段が上がれば禁煙する人が増えると反論。喫煙者の減少による公衆衛生上のメリットは、密売や密輸によるデメリットをはるかにしのぐと話している。