部下への注意、どう与えるべき? 効果的な伝え方を探る
では褒めるときに注意すべき点はあるか。ケラルフ氏は、褒め言葉が形式的なものだと感じられる場合、逆効果になると警告する。
褒めるときは対象を具体的に示して、心を込めて行うことが大切だ。ゼンガー氏によると、単に「よくやった」と声をかけてもほとんど効果はない。しっかりと時間を割いて部下の対応や実績を具体的に示して賞賛することが、極めて大きなプラスの効果を生むことになるという。
褒めるときに心から言葉を送るのはいいが、批判時に感情が入ると大きな問題となる。ゼンガー氏は、怒りの感情を当事者のいずれかが持っていると、建設的な評価の伝達は難しくなると指摘する。
評価は双方向で行うことも大切だ。上司は部下に評価を伝えるだけでなく、部下から上司に対する評価を聞くことが望ましい。ゼンガー氏によると、部下に「あなたの上司として何かできることはないか」と問いかけることが重要だという。「それにより、我々は互いに学びあう存在であり、誰も完璧を求められてはいないというシグナルを送ることになる。また、上司が部下からの評価にどう対応するかが部下の手本にもなる」
では、部下が上司からの批判にどうしても耐えられない時にはどうするべきか。ケラルフ氏によると、上司と話し合う機会を持つことが重要で、「上司のどのような言動が我慢できないのか具体的に伝える必要がある」という。