NY上空で旅客機が異常接近
(CNN) 米連邦航空局(FAA)は21日、ニューヨーク市クイーンズ地区上空の高さ約610メートルで今年6月13日、米ボーイング747型ジャンボ機を含む旅客機2機が異常接近する事態が起き、原因を調査していると発表した。
この2機は、米大手デルタ航空の747型機とシャトル・アメリカ航空が運航するブラジル・エンブラエル社製E170型機。最接近した当時、両機の距離は水平方向で約800メートル、垂直方向で約61メートルだったという。両機はその後、無事に着陸していた。
FAAの規定では、飛行中の航空機同士の間隔は水平方向で少なくとも4.8キロ、垂直方向に約305メートルとなっている。
FAAによると、両機は定められた間隔距離を失ったことに気付いた後、相互に相手機からの離反行動を取った。航空管制官は危険な事態を察知してデルタ機に警告し、同機はシャトル・アメリカ機が接近してきた際、右方向に飛行コースを変えたという。
異常接近は、デルタ機がニューヨーク市のケネディ国際空港へ接近し、シャトル・アメリカ機が同市のラガーディア空港を離陸直後の時間帯に発生した。747型機は通常、乗客350~400人の搭乗が可能。E170型機は70~80人となっている。
今回の事態が発生した空域は、ケネディ、ラガーディア両空港の他、ニュージャージー州ニューアーク国際空港を離着陸する旅客機が使い、過密状態となっている。この空域の下は米国でも人口が最も密集する地帯の1つとなっている。
旅客機同士の異常接近は米国内で過去数年、複数回発生。昨年は首都ワシントン上空で管制塔の通信ミスで3機が空中衝突に巻き込まれかねない緊急事態を招いていた。