世界最高層ビル建設はまだ未許可、起工式終了も 中国
(CNN) 中国中部の湖南省長沙で今月20日起工式が催されたばかりの世界最高層とされるビル建設計画で、中国の国営メディアは28日までに、ビルの開発企業は当局から建設に必要な許可をまだ得ていないと伝えた。
同省省都の長沙市の都市開発計画行政当局者はCNNの取材に、開発企業「遠大集団」によるビル建設計画は現時点であくまで初期段階にあると説明。建設に必要な土地約22エーカーを取得しただけだと述べた。
一方で、遠大集団の広報担当者はCNNに対し、建設工事はまだ開始されていないとし、法律違反の行為を犯したわけでもないと述べた。ただ、建設開始時期については言葉を濁し、将来の記者会見で明らかにされると語った。
同社は以前の声明で高さ838メートル、202階建ての超高層ビル「天空都市」は来年4月に完工すると発表。実際に完成すれば中東アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにあるブルジュ・ハリファ(高さ828メートル)を抜いて世界最高層ビルとなる。
天空都市の総工費は14億6000万米ドル(約1434億円)相当。省エネ設計や効率的な土地利用で建設、ビル内に住宅、オフィス、ショッピングセンター、農場、遊戯施設などを造り、約3万人の住民を見込む。
一方で、独自開発の工法導入でビル完工は10カ月で可能とする遠大集団の主張を疑問視し、建物の安全性を危ぶむ建築家らもいる。この工法は、鋼鉄とコンクリート製の基幹部分を建物区画ごとに前もって造り、ビル本体構築でそれぞれはめ込んでいく方式となっている。