スカーフ着用のイスラム女性解雇に違法判決 アバクロ
ニューヨーク(CNNMoney) 米カリフォルニア州のファッションブランド「アバクロンビー&フィッチ」で働いていたイスラム教徒の女性(23)が、髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用を理由に解雇されたのは不当だとして4年前に訴えを起こした裁判で、同州の連邦裁判所はこのほど、ブランド側が宗教による差別を禁じた法律に違反したとの判決を下した。
女性は同州サンマテオのアバクロの店舗に勤務していた。店長は当初「会社の色に合うこと」を条件にヒジャブの着用を認めたが、採用の数カ月後、店舗を訪れた地域責任者がヒジャブをはずすよう指示した。
女性が宗教上の理由で拒否したところ、停職処分を言い渡された。さらに店長から同様の指示を受け、これも拒否した結果、女性は最終的に解雇されたという。
アバクロはCNNMoneyの取材に対し、同社は宗教による差別をせず、宗教上の要望にも常識の範囲内で対応していると回答した。ただ同社従業員の服装の規定には、頭を覆うことを禁止する項目がある。
米国雇用機会均等委員会(EEOC)によると、同社はこれまでに2回、カリフォルニア州とオクラホマ州の裁判で、ヒジャブを着用した女性を雇用しなかったのは差別だとする判決を受けている。
女性はCNNMoneyとのインタビューで、「私に起きたことはほかの人にも起きる可能性がある。だからそのままにしておけなかった」と振り返った。裁判という経験を通し、「信念を主張するために立ち上がることを学んだ」と話している。