300人搭乗の旅客機、パイロットが居眠りか 英当局
(CNN) 乗客300人を載せた旅客機のパイロット2人が、上空3万フィート(約9000メートル)を飛行中に居眠りしていたことが分かったと、英民間航空局(CAA)が26日に明らかにした。
CAAによると、英国に向かっていたエアバスA330型機の長距離便で昨年8月13日、自動操縦中にパイロットたちが居眠りした。
関係者はCNNの取材に対し、この問題はヴァージン・アトランティック航空の旅客機で発生したと話している。一方、同航空は、「航空機を操縦中に同時に居眠りしていたパイロットに関する安全報告書は受け取っていない」との声明を発表した。
CAAは居眠りの原因として、航空会社のスケジュール調整に問題があったようだとの見方を示した。同機のパイロットたちは長時間勤務のため2日間で5時間しか睡眠が取れていなかったといい、2人が20分交代で休憩を取っていて居眠りしてしまったとみられる。
同機は無事目的地に到着し、パイロットが処分を受ける可能性は低いとCAAは話している。
2人のパイロットが同時に居眠りしていたことを示す証拠があるのかどうかについて、CAAは明言を避け、報告書の内容はあいまいだと説明した。
もし同時に居眠りしたとすれば、航空会社は報告書の提出を義務付けられる。しかしヴァージン・アトランティック航空は、パイロットが2人とも同時に居眠りしたという記録は存在しないとしており、機長と副操縦士が認められた範囲で交代で仮眠を取っていた可能性もある。
パイロットが操縦室で仮眠を取ることは、米当局は禁じているが、英当局は一定の条件付きで認めている。