100万ユーロ超の所得への75%課税、合憲の判断 フランス
ロンドン(CNNMoney) フランス憲法会議は29日、従業員に年間100万ユーロ(約1億4500万円)を超す給与を支払っている企業に対して100万ユーロを超えた部分について75%の税を課す仏政府の法案を合憲と判断した。
オランド大統領は、国の巨額の財政赤字削減と景気回復への協力を富裕層に強制する手段として新税制を打ち出していた。当初は個人が課税対象だったが、憲法会議が昨年12月に違憲と判断したため、高給を支払う企業への課税に変更した。
憲法会議によると、企業は年間給与の100万ユーロを超えた部分について75%の税金を支払わなければならない。ただこの新税は、2013年と14年の2年間の給与にのみ適用されるほか、課税額は企業の年間収入の5%を超えてはならないことになっている。
オランド大統領はかねて、新税制は経済的平等に関する政治的メッセージを発するために作られた「象徴的な」制度だと述べてきた。その言葉通り、仮に税制が施行されても大幅な税収増は期待できない。仏政府は、新税が適用されるのは470社程度と見込んでいる。
しかしこの新税に対し、著名な実業家や映画俳優、サッカークラブが強く反発。10月には、フランスの複数のサッカークラブが、クラブを課税対象から外さないとの政府の判断に抗議し、試合のボイコットを示唆したが、結局試合は予定通り行われた。
またフランスの俳優ジェラール・ドパルデュー氏も個人を課税対象とした最初の法案に反発し、今年ロシア国籍を取得した。