チョコレート産業の裏側、なぜカカオ農家は豊かになれないのか
CNNの取材と同時期に、世界86カ国468のチョコレート工場を統括するネスレのエグゼクティブ・バイス・プレジデント、ホセ・ロペズ氏が同国を訪れていた。
世界のカカオの3分の1を生産するコートジボワールでは、カカオ農家を支援して、産業を成立させていくことが急務だ。そして将来に渡りカカオ産業を健全に維持するためには、サプライ・チェーンの底辺にいる農家に、正しい知識を教えることが唯一の道だ。
ネスレによるカカオ農家の生活改善に向けた取り組み「カカオ・プラン」では、10年間で1億2000万ドルの投資を約束し、首都アビジャンのリサーチセンターで、病気に強いカカオ樹の育成をしている。2016年までに1200万本の苗木を同国のカカオ農家に提供するのだという。また、地方でも、児童の強制労働に関する知識を広め、学校の建設を進めている。
幸いなことに、ネスレの「カカオ・プラン」のほかにも、米国食品大手カーギルの取り組み「カカオ・プロミス」は、1200の学校を設立し、6万の農家に、児童労働の禁止を含む農業に関する知識を教えている。
政府やNGO、またチョコレートメーカーが一丸となって、産業の維持に向けて取り組みを始めている。
カカオ生産農家をサポートすることで、企業は関連NGO団体からの認証を受け、その認証を得たことでカカオ豆にプレミアムな価値が生まれ、農家やコミュニティーに恩恵がいく。