ショッピングカート盗難多発、2月は「返して月間」 米
(CNN) スーパーマーケットでの買い物には欠かせないショッピングカート。ところがカートを持ち去ってしまう買い物客が後を絶たず、河川などに捨てられたカートが引き起こす環境破壊への対応も迫られて、店や自治体が頭を抱えている。
米シカゴのスーパーマーケット経営者だった故アントニー・ディノルフォさんは、カートの盗難のあまりの多さに憤慨していた。盗まれたカートは自動車修理工場や民家の地下室、川の中などから発見。この状況に業を煮やしたディノルフォさんは、2月を「ショッピングカートをスーパーマーケットに返そう月間」に指定すると宣言した。
ディノルフォさんが2009年に死去した後も、毎年2月になるとインターネットなどでカート返還の呼びかけが行われ、米国勢調査局も公認する運動となった。
専門業者によると、ショッピングカードにかかるコストは1台当たり75ドル(約7660円)~150ドル(約1万5000円)。盗難は小売業者にとって手痛い出費となる。
カリフォルニア州の食料品業界団体によれば、カートの盗難が最も多いのは、車を持つ住民が少ない地域にあるスーパーマーケットだという。
こうした地域では買い物を終えた客がカートを返すことはまれで、持ち去られたカートは移動式バーベキューグリル、ラウンジチェア、さらにはシェルターとして使われているものも見つかった。持ち物を運ぶために使っているホームレスも大勢いる。