「世界のGDP、2兆ドル増へ」 G20目標に疑問の声も
香港(CNNMoney) シドニーで開催された主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明で、世界の国内総生産(GDP)成長率の目標値を今後5年間で2%以上引き上げ、2兆ドル(約200兆円)以上増加させるという目標が設定された。これに対し、実現可能性を疑問視する声も上がっている。
会議は2日間にわたって開かれ、23日に共同声明を採択して閉幕した。声明は世界経済について「改善の兆しを示していることを歓迎する」と述べたうえで、油断はできないと強調し、成長促進へ向けた努力を表明した。特に、インフラへの民間投資を促すことに重点を置く姿勢を示した。
実際に目標が達成できるかどうかについては、さまざまな意見がある。仏ソシエテ・ジェネラルのエコノミスト、ミカーラ・マークセン氏は、「G20の指導者らはこの約束をどのように実現するつもりなのか。そこは漠然(ばくぜん)としているとしか言いようがない」と話す。米シティグループのスティーブン・イングランダー氏は、実現のためには各国の構造改革が必要との見方を示した。
米連邦準備制度理事会(FRB)は最近、景気回復の流れを受けて量的緩和策の縮小を決めたが、その影響で新興国の通貨安が進むなど、世界経済に動揺が広がっている。会議はこうした懸念を解消できなかったとの指摘もある。