チョコレート産業の裏側、なぜカカオ農家は豊かになれないのか
(CNN) チョコレートの需要は高いのに、なぜカカオ農家は豊かになれないのか。2012年、CNNはチョコレート産業の裏にある、西アフリカの児童強制労働の現実を探ったドキュメンタリー「Chocolate’s Child Slaves」を放送した。それから2年、再び現地に飛び、サプライ・チェーンの実態や強制労働が改善されているのか、また農家が十分な収入を得るにはどうすればよいのか取材した。
チョコレート産業は、全世界1100億ドル規模の産業であるにもかかわらず、カカオ農家の多くは貧困状態にある。
正確な数字を測るのは難しいが、西アフリカに位置するコートジボワール共和国では、およそ80万人にも及ぶ児童が、カカオ産業に従事していると言われ、要因はすべて貧困によるものだ。
1980年当時のカカオの国際価格は1トン当たり3750ドル(現在の価値で1万ドルほど)であった。現在は、1トン当たりおよそ2800ドルだ。
同様に、チョコレートバー1本あたりのカカオの価値の割合は、12%から6%に半減している。つまり、農家の生産するカカオは必要不可欠だが、チョコレートバーの生産コストにおける割合は小さいのだ。
今日においては、チョコレートバーの収入のおよそ70%が製造元へと渡り、マーケティングや調査、開発などに使用されている。
コートジボワールでは、2012年政府による大胆な改革により、農家から売られるカカオの価格を、最低でも仲介費などを含めた国際市場価格の60%以上、つまり1キロあたり1.5ドル以上にするルールを施行した。