家具が自由に動いて変形、「ルームボット」の開発進む
この多様な家具を生み出すルームボットの各モジュールは、2個のサイコロをくっつけたような形をしており、長さは22センチ。1個のバッテリー、移動と回転のための3つのモーター、さらに無線接続装置を内蔵している。
研究チームはわずか10個のモジュールを組み合わせるだけでさまざまな家具が作れると考えている。「複数のルームボットとテーブルトップやクッションなどの素材を組み合わせることにより、1つのインテリジェント家具が完成する」とイースピアート氏は語る。
しかし、同研究チームの当面の目標は、高齢者など体が不自由な人を支援するための移動式家具の開発だ。「例えば、歩行器を使っている高齢者が散らかったアパート内を移動する際、進行方向にあるルームボットを備えた家具が勝手に移動して道を開けるとか、その高齢者がいつでも座れるように、いすが高齢者に付いて回るといったことを想定している」(イースピアート氏)
研究チームはこれまでに、パソコン上のプログラムを介して少数のモジュール間の交信に成功した。今後は内蔵カメラでユーザーの所在を探知したり、音声認識機能でユーザーからの指示を認識したりすることにより、人間とロボットとの交信の改善を図る計画だ。