米9月雇用、失業率が6年ぶりに6%下回る
ニューヨーク(CNNMoney) 米労働省は3日、9月の雇用統計を発表した。非農業部門雇用者数は24万8000人増で市場予想を上回った。また失業率は5.9%と、6年ぶりに6%を下回った。
今回の統計は、予想外に悪かった8月の統計から大幅な改善が見られた。労働省は8月の雇用の伸びを18万人増に上方修正したが、それでも、8月は今年1月以来初めて20万人を下回った。
CNNMoneyがまとめたエコノミストのコンセンサス予想は、雇用者数が21万5000人増、失業率は6.1%だった。今年、毎月の雇用増加数の平均は20万人を大幅に上回っており、明るい兆しといえる。
ウェルズ・ファーゴ証券の上級エコノミスト、サム・バラード氏も「経済は拡大し、力強さを増しており、今回の統計はそれを裏付けるものだ」と述べた。
業種別では、専門職、特に雇用サービスやコンサルティングで雇用の伸びが目立った。また小売り、医療でも雇用が増え、建設部門は1万6000人増加した。
3日に発表された9月の雇用統計は、11月4日の議会中間選挙前の最後の統計となる。オバマ大統領は2日にシカゴで演説を行い、力強い景気回復を強調した。
しかし一方で、失業率が低下しているのは職探しをあきらめる人が増えているため、との批判もある。実際、労働参加率は62.7%と、1978年以来の低水準となった。
しかし、最近の失業率の低下は、人々が職探しをあきらめたというよりも、より多くの人が職を得た結果だ。現に雇用は昨年9月から260万人増えている。
平均時給は前月からほぼ横ばい。前年比でも2%増と、インフレ率をわずかに上回る程度で、人々が暮らし向きの改善を実感できる水準とはいえない。
米連邦準備理事会(FRB)は、雇用情勢が改善するまで利上げは行わないとし、毎月の雇用統計を注視しているが、米調査会社ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米国担当主任エコノミスト、ジム・オサリバン氏は、賃金の伸びとインフレが依然として弱いことから、FRBは利上げに慎重な姿勢を崩していないと指摘する。