べネズエラの物不足深刻化、食品からコンドームまで
ベネズエラ・カラカス(CNN) トウモロコシや牛乳といった日用品の品薄が続く南米ベネズエラ。スーパーマーケットには長い行列ができ、インフレ率は昨年だけで60%を超えている。
最近ではコンドームや避妊ピルが見つからないという消費者からの苦情が増え、物不足が食卓から寝室にまで及んできた。
CNNが取材した首都カラカス市内の薬局8店のうち、コンドームは4店で欠品、4店は限定販売だった。ある店の経営者は供給の頻度が減ったと嘆き、前回の入荷から2週間もたっていると不満をぶつけた。
消費者の頼みはユーザー同士で物品の売買ができるウェブサイト。ここで売られていた36個入りコンドーム1箱の値段は4760ボリバル(約8万円)だった。これは同国の月間最低賃金5602ボリバルの85%に当たる。
マドゥロ大統領は昨年6月、国内への供給のためコンドーム工場を建設すると発表した。工場はできたものの、責任者によれば需要に見合う品質が確保できず、製造量も需要に追いついていないという。
公衆衛生の専門家は「子どもを持つかどうかを決める権利が失われる。性感染症から身を守ることもできなくなる」と危惧する。
2012年の世界銀行の統計によると、中南米21カ国の10代の妊娠率はベネズエラが上から5番目。一般のエイズウイルス感染率は0.6%で、政府が対策を打ち出さなければリスクは増える一方だと専門家は危機感を強めている。