ナスダックが15年ぶりに最高値更新 ITバブル以来
ニューヨーク(CNNMoney) 23日のニューヨーク株式市場は、ハイテク株中心のナスダック総合指数の終値が5056.06となり、最高値を更新した。これまでの最高値は、ITバブル崩壊前の2000年3月10日につけた5048.62だった。
これでナスダックも、ITバブル崩壊の影響をようやく乗りこえたことになる。「心理的に非常に大きなことだ」と、クリアプール・グループの主任市場ストラテジスト、ピーター・ケニー氏は言う。
ダウ工業株平均やS&P500種指数は数年前に最高値を更新していたが、ナスダックは立ち直りに時間がかかった。
15年前といえば、市場はまさにバブルに踊っていた。では今回もハイテク株がバブル的な高騰をしているのかと言えば、そうでもなさそうだ。当時のベンチャー企業はこの15年の間に多額の利益を上げる大手IT企業へと成長し、配当を実施する成熟さも見せている。
投資家の側も、裏付けのないビジネスモデルを掲げる利益の出ない会社に異常な高値をつけることがなくなった。
「15年前には何も作らず、何の利益も上げず、株主に投機的に高値で売り抜けられる期待だけを提供する会社が買われていた」とケニー氏は言う。「今のナスダックはもっと構造的に健全だ」
ナスダック総合指数の構成銘柄比率をみても、IT株の占める割合は65%から43%へと小さくなり、消費者向けサービスやヘルスケア、金融関連の割合が増えている。最近の値上がりを支えている銘柄のなかには、ハインツとの合併が話題となった食品大手クラフトも含まれる。