水とCO2から合成燃料を生産、車走る 独アウディ
(CNNMoney) 独自動車大手アウディはこのほど、東部ドレスデンの研究施設で、二酸化炭素と水からつくる合成燃料「eディーゼル」の生産を開始したと発表した。
eディーゼルは硫黄などの汚染物質を含まない透明な液体燃料。開発にはアウディと提携するクリーン技術会社、独サンファイアの技術が使われた。
まず水蒸気を摂氏800度以上に過熱して、水素と酸素に分解する。この過程には太陽光や風力などの再生可能エネルギーを使う。
次に、空気中から取り込んだ二酸化炭素と水素を合わせて高い圧力をかけ、「ブルー・クルード」と呼ばれる液体を作る。
最後にこれを精製すればeディーゼルが出来上がる。単独またはガソリンなどとの混合で使うことができるという。
ドイツのワンカ教育研究相は先週、eディーゼルの最初の5リットルを自身の公用車に注入し、プロジェクトの成功を宣言した。ワンカ氏は「二酸化炭素を資源として活用する技術が普及すれば、環境保護や資源の有効利用に役立ち、グリーン経済の基礎を確立することができる」と述べた。
サンファイアの施設では今後数カ月間に3000リットル以上のeディーゼルを生産する計画だ。価格は1リットル当たり税別で1~1.2ユーロ(約130~156円)。ドイツのガソリン価格は現在、同0.6ユーロ前後となっている。