S&P、ブラジル債務を投機的水準に引き下げ
事件の広がりに国民の怒りは高まっており、ルセフ大統領の弾劾(だんがい)を求める声も上がっている。
ルセフ大統領の支持率は8%。一部の専門家から持続不可能と指摘される大型の社会福祉支出を今も続けている。
通貨レアルは今年に入り、対ドルレートで30%近く下げた。これは短期的には景気の足を引っ張るとともに日用品の高騰をもたらす要因だ。
ブラジル経済の失速は中国の経済成長鈍化の影響が大きい。中国における原材料需要の急増により、この10年間、対中輸出は順調に伸びていた。だが中国経済の不調を受けて砂糖などの価格が下がり、ブラジル経済に打撃を与えている。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が来週、ほぼ10年ぶりに利上げに踏み切るとの観測が出ており、ブラジル経済へのさらなる打撃が懸念されている。