バングラデシュ中銀、多額の不正送金被害 回収に全力
ニューヨーク(CNNMoney) バングラデシュ中央銀行が、ニューヨーク連銀の口座から1億100万ドル(約115億円)を不正送金される被害に遭っていたことを明らかにした。盗まれた現金は回収できる見通しだとしている。この事件について同国財務相が15日にも発表を予定しているという。
ニューヨーク連銀によると、何者かが2月5日にバングラデシュ中銀の口座から5回の送金取引を成立させた。送金の指示はバングラデシュのサーバーから出されたように見え、正規の銀行コードを使って取引が承認されていた。銀行コードがどのような手口で盗まれたのかは不明。
盗まれた1億100万ドルのうち、8000万ドルはフィリピンの口座に振り込まれ、2100万ドルはスリランカの口座に振り込まれていた。
バングラデシュ中央銀行は、スリランカの口座に送金された現金については全額を回収し、フィリピンの口座は凍結させることができたと説明。現金の回収に向け、フィリピンの金融情報機関と緊密に連携しているとした。
犯人グループはさらに8億5000万ドルを盗もうとしたが、この取引はニューヨーク連銀が承認しなかった。
ニューヨーク連銀は、同行のシステムに何者かが不正侵入した形跡も、不正侵入を試みた形跡もないと強調している。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、フィリピンのマネーロンダリング対策機関が容疑者の摘発について15日に発表を予定していると伝えた。