トヨタ、南アで快走 秘訣は徹底した現地主義
トヨタ、南アで快走
(CNN) 南アフリカの主要都市を車で走っていると、遅かれ早かれ目につくのがトヨタの「カローラ」だ。カローラは世界で最もよく売れている車のひとつで、累計販売台数は4000万台、南アだけでも100万台に達した。
南アフリカトヨタの技術サービス部門のゼネラルマネジャーは、カローラの人気について、「(南アでは)手頃な値段でちょうど良い大きさの車がほしいという需要が大きい」と説明する。
トヨタは1970年代から南アで車を製造。険しい地形や高い気温、高度といった独自の課題に技術を適応させてきた。
南アで実を結び、他のアフリカ諸国に足がかりを築くきっかけともなったのは、トヨタの長期的な哲学である。トヨタのモットーである「現地現物」は、現地に行き自分の目で確かめるという意味で、世界のどの市場でも現地のニーズに応える点がトヨタの強さの秘訣(ひけつ)だという。
ただ、多くの課題も残っている。南ア自動車製造者協会によると、同国では2015年、新車販売台数が前年から4%落ち込み2年連続の下落となった。また通貨ランドは対ドルで下落しており、消費者が大規模な支出を控えることを余儀なくされる中、16年も見通しは厳しい。
ヨハネスブルクのトヨタ代理店のゼネラルマネジャーは「消費者は非常に賢くなっており、感情にまかせて購入するのではなく、所有のコストを気にし始めている」と述べる。
競合他社もトヨタを追走する中、品質や魅力と低コストを両立させていくことが求められているといえそうだ。