出稼ぎ労働者270万人に給料遅配、5年で最悪 中国
中国労働者のスト問題などに焦点を当てた書物の英語訳の編集者によると、中国国内の出稼ぎ労働者の総数は約2億7700万人。彼らの苦境は再三無視され、都市部の十分な学歴がある住民は出稼ぎ労働者の実態についてほとんど無知であると指摘。産業構造の転換などが加速される中で今後も抗議活動は続発するだろうと予測した。
この書物は2012年に最初に地下出版されていた「China on Strike:Narratives of Workers’ Resistance」。香港の北方に位置し「珠江デルタ」と呼ばれる地域の製造工場で働く出稼ぎ労働者数十人と面談し、職場環境などの話を聞いた。
書物は、広東省の工場で働き、17歳の時に不当解雇に抗議して初めて職場放棄などの活動に加わった女子労働者らを紹介。この女性は最も大事なのは連帯と強調し、年配層と比べ自らの権利保護にはるかに積極的で、家庭からの圧力も少ない若年層の存在が抗議活動での重要な要因になると主張した。
英語訳の編集者は、出稼ぎ組を中心にした労働者によるストや抗議活動の背景を理解することは中国の労使関係の現状だけでなく政治的安定性をより広範な見地から把握する上でも非常に重要と説明している。