TPPの「年内採決なし」、米共和党指導者が言明
(CNN) 米連邦議会の複数の有力議員は13日までに、オバマ大統領が残りの任期内での承認を目指していた環太平洋経済連携協定(TPP)について同法案を採決に持ち込む年内の提出はないとの認識を示した。
米大統領選に勝利した共和党のドナルド・トランプ氏はTPPからの離脱を公約にしており、同協定の漂流が色濃くなる情勢となってきた。
共和党上院トップのミッチ・マコネル院内総務は最近記者団に、オバマ大統領の任期切れが近い「レームダック(死に体)」の状態となっている連邦議会で上院はTPPの問題で動かないと明言。ポール・ライアン下院議長も共和党は下院でTPP法案の採決の投票を実施しないと断言した。
マコネル院内総務は「次期大統領が貿易協定の交渉を望むなら、彼はその機会を得られる」と指摘。ただ、その機会は年内にはなく、今後あるかについては新大統領との協議次第との見方を示した。その上で、「次期大統領は現在の協定を支持しない考えを極めて明確に示している」と付け加えた。
トランプ氏の公約を踏まえた場合、新議会が発足しても同協定法案が採決される可能性はほとんどない趨勢(すうせい)となってきた。TPP法案は葬り去られたとの見方も強まっている。