シカゴ証取、中国投資家の買収へ前進 「安保上の懸念」なし
ニューヨーク(CNNMoney) 中国資本の投資家集団によるシカゴ証券取引所の買収をめぐり、外国企業による買収が国家の安全保障に与える影響を調べていた対米外国投資委員会(CFIUS)は、シカゴ証取の買収を認める判断を下したことが15日までに分かった。シカゴ証取は、CFIUSが買収について「未解決の安全保障上の懸念」はないと判断したと明らかにした。
シカゴ証取は創立134年。今年2月に重慶財信企業集団による買収を発表していた。
CFIUSからコメントは得られていない。
今後は米証券取引委員会(SEC)の認可を得る必要がある。SECが認めれば、中国は米国の株式市場に足場を築くことになる。
シカゴ証取はナスダックやニューヨーク証取に比べると規模の小さい取引所で、今年出されたデータによれば米国全体の取引高の0.5%を占めるに過ぎない。
だが、一部の米議会議員からは米証取を中国の投資家が買収することに安保上の懸念の声が上がっている。
2月には数十人の議員が書簡の中で、シカゴ証取の買収案を厳しく調査するよう求めるとともに、もし中国政府に近い投資家が参加している場合には買収を認めないよう求めていた。
もっとも買収が実現したところで、外国企業と深い経営関係をもつ米証取の例はシカゴが初めてではない。ナスダックは2007年、北欧の証取OMXと経営統合している。