「プロ」のサンタがシーズン真っ盛り、養成大学で訓練も
サンタ大学には70人ほどの研修生が集まり、手話やメディア対応の心得を学んだり、ひげの脱色や手入れ、身だしなみの講習を受けたりする。
授業のほかにも、貧しい子どもたちへのプレゼントを集めるチャリティー、バーベキュー、聖歌の練習など、盛りだくさんのプログラムだ。
11月に本番のシーズンを迎えると、そこからクリスマスまでの6週間は朝から夜まで、仕事一色の毎日になる。
ジョージア州に住むリック・デービスさんが派遣されるモールは、自宅から1200キロ離れたイリノイ州にある。デービスさんは毎年、モールの近くに泊まり込んで仕事に通う。「子どもたちのために最高のコンディションでサンタを務めたい。家にいると気が散ってしまうから、このほうが集中できる」と話す。
サンタ役の報酬は非公開だ。経験や派遣先によって違うという。だがサンタ大学の卒業生に聞けば、だれもが「お金ではない」と答えるに違いない。
「仕事というより使命です」と、デービスさんは力を込める。毎日子どもやその子の家族に語り掛けて元気をあげられることに、やりがいをかみ締めているという。