G20、共同声明に「保護貿易への対抗」盛り込まず
ロンドン(CNNMoney) ドイツ南西部の保養地バーデンバーデンで17~18日に開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明から、これまで盛り込まれていた反保護主義の文言が消えた。
昨年の声明には「あらゆる形の保護主義に抵抗する」との文言があったが、今年は「経済に対する貿易の貢献を強化する」取り組みという、当たり障りのない表現にとどまった。
ドイツのショイブレ財相が閉幕後に語ったところによると、会合では長時間にわたって率直な意見が交わされた。
中国やオーストラリアは反保護主義の文言を残すよう主張したとされるが、米国が削除を強く求めた。
今年1月に就任した米国のトランプ大統領はすでに環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を宣言し、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しも表明。米国の雇用を守るためとして、輸入品に高い関税を課す方針を示している。
トランプ氏は17日、メルケル独首相との共同記者会見でも「米国が何年も受けてきた不公平な扱いに終止符を打つ」「自由貿易によって悪いことがたくさん起きた。NAFTAは米国や我が国の企業、特に労働者にとってとんだ災難だ」などと主張した。