コカ・コーラ製品で裁判、成分に「有害」の判断 ナイジェリア
ラゴス(CNN) ナイジェリアの最大都市ラゴスの裁判所は29日までに、米飲料大手コカ・コーラの製品に有害なレベルの添加物が含まれているとの判断を下した。ただ国内の監督当局や国連の専門家は、健康に害を及ぼす恐れはないとして、従来の基準を問題視する判断に異議を唱えている。
裁判では、「ファンタ」「スプライト」の両商品に合成保存料の安息香酸や合成着色料が高い濃度で含まれると判断された。安息香酸はアスコルビン酸(ビタミンC)と反応して発がん物質のベンゼンに変化することが知られている。
ラゴスの実業家が、コカ・コーラのナイジェリア向け商品の製品・販売に当たっているナイジェリアン・ボトリング・カンパニー(NBC)と、同国の食品医薬品当局(NAFDAC)を相手取って訴訟を起こしていた。
原告の経営する会社が2007年2月にコカ・コーラ飲料を英国に輸出しようとしたところ、基準値を超える安息香酸と着色料が入っているとして英当局に押収、破棄されたためだ。
判事はNBCに対し、ファンタとスプライトのボトルにビタミンCと合わせて飲まないように警告する表示を義務付けた。さらにNAFDACが監督義務を怠ったとして、200万ナイラ(約70万円)の支払いを命じた。
原告はCNNとのインタビューで「勝訴したことはうれしいし、国民や全世界に警告を発することができた」と語る一方、「裁判所がNAFDACに支払いを命じた額は、私が訴訟に費やした費用の10分の1にも満たない。少なくとも飲料の購入や英国への輸出にかかった費用は請求したい」と述べ、今後さらに損害賠償を求めていく意向を示した。
一方NBCとNAFDACは、輸出向けに製造された商品ではなかったと主張。ナイジェリア当局や国際食品規格委員会(CODEX)の基準では安息香酸の濃度に問題はなかったとして上訴する構えだ。