米ボーイング、新型機のテスト飛行を停止 エンジンに問題か
ニューヨーク(CNNMoney) 米ボーイングは10日、開発中の小型ジェット旅客機「737MAX」について、全機体のテスト飛行を一時停止すると発表した。新型のエンジン内部の品質に懸念が生じたためとしている。
737MAXの航空会社への引き渡しは月内に始まる予定。ボーイングは声明の中で、機体の引き渡しを当初のスケジュール通り実施する計画だと述べた。
品質への懸念から検査に回される新型エンジンは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と仏サフランの合弁会社であるCFMインターナショナルが製造。同社の広報担当者は、当該のエンジンをインディアナ州とフランスにある製造拠点へ送り、検査すると説明した。
問題が疑われるエンジンの部品は2つの異なる供給業者が納入したものであるため、CFMではすべてのエンジンが影響を受けたわけではないとみている。今後の検査を通じて、問題のある機体の数を割り出すという。
今月予定されているマレーシアの格安航空(LCC)への引き渡しについては、テスト飛行停止の影響が避けられる見通しだ。しかしそれ以降の納品は延期を余儀なくされる可能性がある。
737MAXの燃費は新型エンジンなどにより、先行の機体を14%上回る。機体の価格は1億1240万~1億1920万ドル(約128億~136億円)で、受注数は3700機を超えている。
ボーイングは今回の措置を受け、先月初のテスト飛行に成功した「737MAX9」についても、飛行による試験を一時停止すると発表した。