北京の代理店、北朝鮮旅行の米国人受け入れ中止 学生死亡で
香港(CNNMoney) 北朝鮮で拘束され昏睡(こんすい)状態で解放された後、死亡した米バージニア大学生、オットー・ワームビア氏(22)の北朝鮮旅行を手配していた旅行代理店は22日までに、今後は米国民による北朝鮮への観光旅行を引き受けない方針を明らかにした。
この代理店は中国・北京に拠点がある「ヤング・パイオニア・ツアーズ」。声明で「北朝鮮を訪れる米国民のリスクは非常に高くなった」と述べた。
同じく西側諸国の観光客の北朝鮮旅行を手掛ける高麗旅行社とウリ・ツアーズも米国人へのサービス提供を続行するかを再検討すると述べた。
米国務省は米国人に対し北朝鮮への訪問を強く警告し、「北朝鮮の法執行システムの下では逮捕や長期拘束の深刻な危険性がある」と説いている。
オットー・ワームビア氏は昨年、観光旅行で北朝鮮を訪れた際、逮捕され、17カ月間にわたって拘束されていた。先週、健康が極度に悪化した状態で米側に身柄が引き渡されていたが、同氏の家族によると19日に米オハイオ州で死去した。
米国人による北朝鮮訪問に関しては米連邦議員2人が先に、これを禁じる法案を提出していた。金正恩(キムジョンウン)氏率いる体制による外貨獲得手段の封殺や米国人のさらなる拘束阻止などをその狙いとしている。
高麗旅行社によると、北朝鮮を訪れる外国人は毎年約10万人で、95%が中国人。米国人は少人数に過ぎないとしている。