欧州の「バター危機」深刻化、生産減や中国の需要増大が追い打ち
バターはかつて、心疾患や死亡リスク上昇との関係が指摘されたこともあった。しかし最近の研究で、かつて考えられていたほど健康に悪くはなさそうなことが分かってきた。
欧州の乳製品業界は相次ぐ打撃に見舞われている。ロシアは2014年、クリミア半島の併合を巡る制裁への報復として、欧州の食品の禁輸を命じた。ロシアはEUのバター輸出の24%を占めていた。
この結果、EUの多くの国で牛乳の価格が下落してペットボトル入りの飲料水よりも安くなり、酪農家の多くが廃業に追い込まれた。英国だけでも1000以上の農家が生産を中止したという。
欧州委員会によると、バターの生産量は2017年5月までの1年間で5%減少し、バターの備蓄量は1年間で98%下落した。
乳製品大手アーラ・フーズのペダー・テュボロ最高経営責任者(CEO)は先月、BBCの取材に対し、クリスマスごろには牛乳やクリームが不足するかもしれないと語っていた。