737MAXの運航停止、ボーイングに最大5500億円の負担か
ニューヨーク(CNN Business) エチオピアで起きた米ボーイングの新鋭機「737MAX」の墜落事故を受けて世界各地で同型機の運航停止が行われているが、すべての737MAX型機を駐機した場合のボーイングの負担額は10億~50億ドル(約1100億~約5500億円)に達する可能性があることが14日までにわかった。米ウォール街のメリウス・リサーチやジェフリーズが試算した。
負担額は737MAXを3カ月間運航停止にしたとの試算に基づく。ボーイングは、昨年の売上高が過去最高の1010億ドルを記録するなど業績は好調で、今回の負担を引き受けるだけの体力はありそうだ。
ボーイングは13日、米連邦航空局(FAA)に対して、全ての737MAX型機の運航を一時停止するための通知を出すよう要請したことを明らかにした。
ボーイングは以前にも、ひとつの種類の機体について全てを運航停止にしたことがある。ボーイングは2013年、787ドリームライナーについて、バッテリーからの出火の問題を受けて、航空各社に運航の停止を要請した。
バッテリー問題への対応を続けるなかでも、ドリームライナーの生産は中断しなかった。当時運航されていたドリームライナーは50機で、ボーイングによれば、負担は「最小限」だったという。
ボーイングの13日の声明では、運航停止が生産に与える影響については言及していないが、予定通り生産が続けられる可能性が高い。長期的な販売に悪影響が出なければ、ボーイングの企業規模を考えれば、今回の運航停止と4月までの納品停止の影響は最終的には最小限にとどまる可能性がある。
負担の大部分は、航空各社への補償となりそうだ。ノルウェー航空は同社が保有する737MAX型機18機の運航停止による損失についてボーイングへ補償を要求する考えを明らかにしている。