米の新規失業保険申請、平時の30倍超 過去最悪を更新
ニューヨーク(CNN Business) 新型コロナウイルスの流行に伴う従業員の解雇や一時帰休が続く中、米国で3月28日までの1週間に新規に失業保険を申請した人は約660万人に上り、史上最多を更新した。米労働省が明らかにした。
この件数はエコノミストの予想を大幅に上回り、流行が始まる前に比べて30倍以上の増加になった。米国の雇用市場が、誰も経験したことのない厳しい状況にあることをうかがわせる。
エコノミストはこの現象を「とてつもない」「愕然(がくぜん)とするひどさ」「惨事の様相」と形容している。
その前の週の新規申請330万件を含めると、直近の2週間だけで1000万人近い米国人が失業保険を申請したことになる。
シティのエコノミスト、アンドルー・ホレンホースト氏によると、これは米国の労働者1億6500万人の約6%に相当し、9.5%の失業率を示唆している。
「今後数週間も失業者の一層の増加が予想され、失業率は10%を上回る可能性が非常に大きい」とホレンホースト氏は指摘した。
失業保険を申請できる基準は州によって異なるが、米政府は新型コロナウイルスの流行を受けて一部の規制を緩和し、独立事業者や自営業者など通常であれば資格のない人も、米議会が創設したパンデミック失業対策支援制度を通じて一時的な給付金が受け取れるようになった。
新型コロナウイルスが流行する前は、新規の失業保険申請件数は週に20万件台前半で推移していた。