全米有数の豚肉処理工場、従業員の感染で閉鎖 食肉供給に影響も
ニューヨーク(CNN Business) 米食肉大手スミスフィールドは12日、サウスダコタ州にある豚肉処理工場の従業員が新型コロナウイルスに感染したことを受け、同工場を無期限で閉鎖すると発表した。
スミスフィールドのケネス・サリバン最高経営責任者(CEO)は声明を発表し、「今回の工場閉鎖は、全米で増え続ける他の食肉処理工場の閉鎖と相まって、我が国の食肉供給を危険な状況に追い込みつつある」と危機感を示した。
さらに、「工場が稼働しなければ、食品店の在庫を維持することは不可能だ」「そうした工場の閉鎖は多くのサプライチェーンにとって重大な、恐らくは壊滅的な影響を及ぼすだろう」と予想した。
スミスフィールドによると、閉鎖されたサウスダコタ州の工場は、全米の豚肉生産の4~5%を担っている。従業員は約3700人。
同州のクリスティ・ノーム知事は11日の記者会見で、同州で確認された新型コロナウイルス感染者のうち、半数以上をスミスフィールドの従業員が占めていることを明らかにした。感染者約430人のうち、症状のある従業員は約240人に上り、地元自治体がスミスフィールドに対して少なくとも2週間の操業停止を勧告した。
問題はサウスダコタ州にとどまらない。アイオワ州やペンシルベニア州でも、従業員に症状が出たことを受けて食肉処理工場が閉鎖されている。
スミスフィールドの工場では在庫処理のため14日に一部の業務を行いながら、全面閉鎖の準備を進める。従業員には今後2週間分の補償を行うとした。