アメリカン、ユナイテッド航空で計3.2万人の人員削減へ
ニューヨーク(CNN Business) 米航空大手のアメリカン航空とユナイテッド航空が両社合わせて3万2000人の人員削減に踏み切る見通しとなった。
ムニューシン財務長官と議会の間で航空業界への雇用支援をめぐる協議が難航し、合意成立の見通しが立たないと判断されたためだ。
アメリカン航空のパーカー最高経営責任者(CEO)は30日深夜、1万9000人の削減を余儀なくされると発表。ユナイテッド航空のカービーCEOも1万3000人の削減を決めたとして、「大変悲しい日になった」と述べた。
パーカー氏は同日、これに先立つCNNとのインタビューで、航空業界への250億ドル(約2.6兆円)の支援を盛り込んだ包括的経済対策で合意成立の兆しがみられれば、人員削減は回避できると望みをかけていた。
両氏は現時点でも、数日のうちに合意が成立すれば人員削減の決定を覆すこともあり得るとの立場だ。カービー氏は従業員へのメモで、協議が妥結して雇用が守られることを願うと述べた。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で航空各社が巨額の損失を計上するなか、政府と議会が今年春にまとめた救済法では、各社が従業員の解雇や給与削減をしないことが雇用支援の条件とされていた。同法が9月いっぱいで期限を迎えるため、延長をめぐる協議が続けられてきた。
これまでの条件の下でも、各社が募った希望退職や早期退職に応じて、すでに5万人近くの従業員が航空業界を去った。アメリカン、ユナイテッド以外の米航空各社でも、合わせて約1万7000人の従業員が削減対象となる可能性を通知されている。