米グーグル、ニュース発行元に1000億円超を支払いへ
ニューヨーク(CNN Business) 米グーグルは2日までに、欧州や南米などの約200のニュース発行元とライセンス契約を結んだことを明らかにした。発行元に対して向こう3年間で10億ドル(約1050億円)以上を支払う。
今後はライセンス契約を交わす発行元を増やし、地理的にも拡大していく方針。
グーグルと米フェイスブックは現在、かつてニュース発行元に入っていた広告料の大半を押さえる。業界では広告料の低迷に伴い、編集室の縮小や地域報道に充てるリソースの減少が起きている。グーグルはニュースのライセンス契約に約10億ドルを投じることで、質の高い報道に対価を支払い、苦境に立つ業界を支える方針を示した格好だ。
ライセンス契約は6月に発表されたもので、「ニュース・ショーケース」と呼ばれる新たなサービスの一環。参加する発行体はコンテンツの見せ方を自社で編集・決定できる。
コンテンツは「ストーリー・パネル」と呼ばれる枠組みで表示される。発行元はタイムラインや関連記事などを使って記事への興味を喚起し、続きを読みたい読者に自社サイトへの流入を促すことができる。
ブラジルとドイツでは1日から、グーグルの利用者がニュース・ショーケースにアクセスできるようになる。当初は同社のOS「アンドロイド」でのみ利用可能だが、近いうちにアップルの「iOS」に展開し、将来的にはグーグル検索などにも提供範囲を拡大する。
メディア企業とプラットフォーム企業の間では長年、ニュース発行元にコンテンツ表示料を支払うかどうかが緊張の種になってきた。フェイスブックは昨年、米紙ニューヨーク・タイムズや米ダウ・ジョーンズなどとライセンス契約を締結して「フェイスブック・ニュース」を立ち上げている。