米国、中国新彊産の綿製品とトマトを輸入禁止に 強制労働の懸念受け
(CNN Business) 米国は、中国西部の新疆ウイグル自治区で生産された綿製品とトマトの輸入を禁止した。自治区内で行われているとされる強制労働への懸念を受けた措置。米税関・国境警備局(CBP)が13日に明らかにした。
CBPは自治区全域を対象とした輸入禁止について「もとにした情報から、収容所の収容者や受刑者を労働力として活用し、強制労働を行っている実態が合理的に示唆される」と説明。借金による束縛や、移動の制限、隔離、威嚇と脅迫、賃金の不払い、劣悪な居住環境や労働条件といった事例もすでに確認したという。
国務省の推計によると、新疆ウイグル自治区では100万人を超えるウイグル族並びに少数派のイスラム教徒が大規模な収容施設に拘留されているとみられる。施設での虐待の報告は膨大な数に上る。
中国政府は虐待についての疑惑を否定。収容者らに職業訓練を施し、過激思想に染まるのを阻止することでイスラム教徒によるテロと暴力に対抗しているのだと主張している。
CBPのマーク・モーガン局長代理は声明で「CBPは、公正な市場価格より安い値段で米国内に物品を輸入する目的で、中国政府が現代の奴隷制による搾取を行うことを容認しない」「強制労働によって作られた安価な輸入品は、人権を尊重する米国企業を傷つけるとともに、疑いを持たない消費者に対して道義に反する購買行動を強いることにもなる」と述べた。
今回の輸入禁止措置は米国内のすべての港湾で施行される。
トランプ政権はこれまでにも、新疆ウイグル自治区での強制労働によって生産活動を行っているとされる複数の企業に対し、輸入制限を発表してきた。この中には大手の綿生産業者も含まれる。
CBPの幹部によると、中国で生産される綿花の85%は新彊産が占める。