ワクチンと血栓症の因果関係示す証拠なし、英製薬大手
(CNN) 英製薬大手「アストラゼネカ」は12日、同社製の新型コロナウイルスワクチンの接種後、血栓症の発症のリスクが高まることを示す科学的根拠は得られなかったとの調査結果を発表した。
声明で、同社の安全性に関する1000万件以上のデータ分析で特定の年齢層、性別、集団や国で深部静脈血栓症などの発症リスクが増加するとの証拠は見い出せなかったと指摘。
逆に、接種後にこれらの症状が出る件数は一般的な人々の間に起こり得る件数より相当低いとも主張した。
アストラゼネカが英オックスフォード大学と共に開発したワクチンをめぐっては一部の国が接種後に血栓症が出る懸念が生じたとして使用を中断。12日にはタイがデンマーク、アイスランドとノルウェーに追随して使用の取りやめを発表、副反応や拒絶反応の可能性を探る調査結果を待つとした。
一方、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は12日、ワクチンの安全性に関するWHOの諮問委員会がアストラゼネカ社製のワクチンの副反応を伝える情報を検証するとしながらも、使用継続は容認する立場を示した。
「欧州医薬品庁がこのワクチンと血栓症の間の因果関係を示す兆候はないとしたことは重要」と語った。