テスラ株がフォードやGMの後塵を拝している理由

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投資家はテスラよりも旧来型の自動車メーカーの株を選好対象としているようだ/Justin Sullivan/Getty Images

投資家はテスラよりも旧来型の自動車メーカーの株を選好対象としているようだ/Justin Sullivan/Getty Images

ニューヨーク(CNN Business) 米電気自動車(EV)大手テスラの2020年は輝かしいものだった。同社の株はS&P500指数に追加され、743%の高騰を示した。だが、ここにきて一部の投資家は手を引いている。

テスラの株価は現在、今年初めに付けた過去最高値を25%近く下回り、年初来で2%安に落ち込む。一方、EV化を加速させる従来型の自動車メーカーは株価上昇が著しい。

フォード株は75%近く上昇し、上げ幅はS&P500採用銘柄でトップ10に入る。同社は先月、電動トラック「F150ライトニング」をお披露目したほか、2030年までに世界売り上げの4割をEVが占めるようになるとの見通しも示した。

ゼネラル・モーターズ(GM)株も40%あまり上昇。シボレー、ビュイック、キャデラックを手掛ける同社は今月、25年までにEV開発に350億ドル(約3兆8800億円)を投じる方針を明らかにした。

テスラに追いつこうとEVラインアップの拡充を図るこうした旧来型自動車メーカーに、投資家はやや目がくらんでいるようだ。

テスラの成長ペースは依然として非常に速い。専門家によると、1株当たりの利益は年内に倍以上になり、今後数年にわたり年約45%で上昇する見通しだ。

ただ、テスラは米金融市場で最も評価が分かれる銘柄の一つでもある。

金融情報会社リフィニティブによると、アナリストのうち14人はテスラ株の投資判断を「買い」、13人は「ホールド」、10人は「売り」とした。一方、GMの場合、「買い」は20人、「ホールド」は2人で、「売り」は1人もいない。

テスラに批判的な向きが指摘する懸念材料は山のようにある。ベストセラー「世紀の空売り」に登場する著名な空売り投資家がテスラ株の下落に賭けているほか、長年の幹部ジェローム・ギレン氏が今月初めに突然会社を去ったことを受け、経営陣に関する懸念も浮上した。何より懸念されるのは、最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が宇宙開発会社スペースXの経営に忙しいことだ。

このほか、マスク氏が暗号資産(仮想通貨)のビットコインやドージコインに傾倒していること、米人気番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」の司会やツイッターのような本業以外の活動に精を出していることも、一部の投資家やアナリストから嫌気されている可能性がある。

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