世界経済6%増の見通し、ワクチン状況で成長に濃淡も IMF
ロンドン(CNN Business) 国際通貨基金(IMF)が27日に発表した最新の世界経済見通しは2021年の世界の成長率について前年比6・0%増とした。しかし、先進国の見通しが改善する一方で、発展途上国との格差が広がっている。
IMFの見通しによれば、米国や英国、カナダといった国々の成長率は4月の見通しから上方修正された。一方で、インドなど東南アジアの国々の成長率は下方修正された。
IMFはこの違いは新型コロナウイルスワクチンの接種率の違いによるものが大きいと説明している。
IMFは、ワクチンの利用状況が世界経済の回復を2つのブロックに分けている主要な境界線となっていると指摘。今年後半に活動がさらに通常の状態に戻ることが期待できる国々と、依然として新型コロナウイルスの感染再拡大や新型コロナによる死者の増加に直面する国々だという。前者の大部分は先進国だ。
IMFによれば、先進国の人口の約40%がワクチンの接種を完了した。途上国は同11%で、低所得国での割合はさらに低い。
IMFの見通しによれば、米国の今年の経済成長率は7%で、前回の見通しよりも0.6ポイント上方修正された。英国の今年の成長率は7%と、前回よりも1.7ポイントの上方修正となった。ユーロ圏19カ国の成長率は0.2ポイント引き上げられ4.6%。カナダの成長率は1.3ポイント引き上げられ6.3%の見通し。
中国は、前回の見通しからわずかに下方修正されたが、8.1%の成長を見込む。インドの成長率は新型コロナウイルスの最近の流行を受けて大幅に引き下げられ、9.5%。4月の時点では12.5%の成長が見込まれていた。
IMFのチーフエコノミスト、ギータ・ゴピナート氏はブログへの投稿で、予測を上回るワクチン接種率と常態への回帰が上方修正につながった一方で、ワクチン不足や一部の国での新型コロナウイルスの再流行が下方修正につながったと述べた。