コロナ陣頭指揮のファウチ所長に脅迫メール送信の疑い、男を逮捕 米メリーランド州
(CNN) 米連邦当局は、新型コロナウイルス対策の陣頭指揮を執る国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長に脅迫メールを送り付けた疑いで、メリーランド州在住の男を逮捕したと発表した。
米メリーランド州連邦地裁に提出された書面によると、トーマス・パトリック・コナリー容疑者(56)は、連邦当局者に対する脅迫と、危害を加えると脅す内容を含んだ州間通信の容疑で26日に逮捕された。
保健福祉省の監察局は、ファウチ所長を狙った脅迫の件数が増大したとして、2020年3月から同所長の身辺警護を開始していた。ファウチ所長はジョー・バイデン大統領の首席医療顧問も務める。
コナリー容疑者は28日、グリーンベルト連邦地裁に出廷する見通し。弁護士はまだ選任されていない。
調べによると、脅迫メールはスイスを拠点とする暗号化された電子メールサービス経由で送信されていた。司法省は、捜査の結果、この暗号メールアカウントとコナリー容疑者との関係を突き止めたとしている。
脅迫メールは国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長のアカウントに宛てて、20年12月から届くようになった。最初の1通の件名は「おまえのいかれた悪魔の頭蓋骨(ずがいこつ)に銃弾を」という内容だった。
同じアカウントからは21年4月にも連続してファウチ所長宛てにメールが届き、「ワクチン義務化」を口にすれば家族の身に危険が及ぶと脅迫した。
コナリー容疑者はさらに、別のメールアカウントを使って別の人物に連絡を取り、ファウチ所長がHIVやエイズに関する不正にかかわったと主張したとされる。
直近のメールは7月21日に送信された。
コナリー容疑者が有罪になれば、10年以下の禁錮が言い渡される可能性がある。