スペースX、民間人のみ搭乗の宇宙船が無事帰還
ニューヨーク(CNN Business) 民間人の観光客4人を乗せた米スペースXの宇宙船「クルードラゴン」が3日間の宇宙滞在を終え、米東部時間18日夜に無事帰還した。
スペースXのライブ配信では、船長を務めた富豪のジャレッド・アイザックマン氏が「すごい飛行だった」と話す声が流れた。
クルードラゴンは時速2.7万キロのスピードで高度約570キロの軌道を周回した後、大気圏に再突入する際の空気抵抗で減速。パラシュートを立て続けに展開してさらに減速し、回収船の待機する米フロリダ沖に着水した。
再突入時の機体表面の温度は約1930度に達したが、船内はヒートシールドに守られ、30度以下の気温に保たれた。
スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、再突入の様子を「燃えるいん石が落ちてくるよう」と表現した。
搭乗した4人は飛行中、人体の反応についての科学実験を行ったほか、ドーム型の大きな窓から宇宙空間を眺めたり、地上の家族と交信したり、音楽を聴いたりして過ごした。17日のライブ配信では、メンバーが滞在中に描いた絵画やウクレレの演奏も披露された。
だが宇宙飛行士による過去のクルードラゴンが船内の一部始終を公開していたのに比べると、一般向けの情報は限られていた。その理由としては、搭乗者の体調が「宇宙酔い」などで必ずしも万全ではなかった可能性が考えられる。あるいは単にプライバシーを守りたい意向や、寸暇を惜しんで飛行体験を満喫したい心境を尊重した可能性もある。