FRBが資産購入終了を前倒しへ、来年の複数回利上げも示唆 インフレ対策で
ニューヨーク(CNN Business) 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は15日、新型コロナウイルス対策の資産購入を当初の発表よりも早く終了する方針を明らかにした。また経済見通しを改定し、2022年に複数回の利上げを行う可能性を示唆した。
米国でのインフレ高進を受け、金融政策の正常化を加速する必要に迫られた格好だ。
FRBは11月に毎月の資産購入額の縮小(テーパリング)を初めて発表していたが、今回の会見では、そのペースを加速する方針を打ち出した。
これによると、FRBは1月から米国債の購入額を月200億ドル、住宅ローン担保証券の購入額を月100億ドル減らす。その結果、残る米国債の購入額は月400億ドル、住宅ローン担保証券の購入額は月200億ドルとなる。
パウエル氏によれば、このペースで行くと、FRBはあと2回の連邦公開市場委員会(FOMC)を経て資産購入を終了することになる。次の2回のFOMCは来年1月と3月に予定されている。
ただ、経済見通しで必要になった場合に、毎月の購入ペースを変化させる権利は留保しておくという。
FRBの当局者はまた、22年の政策金利の上昇幅を9月の0.3%という予測から0.9%に引き上げ、追加利上げを示唆。投資家や市場の観測筋にとって、これは来年に3回の利上げが行われる可能性を示す。
米国ではインフレが高止まりしており、先週発表された11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で39年ぶりの高水準に達した。
パウエル氏はインフレが当初の想定より長期化するリスクがあると認め、今回の動きの理由のひとつはインフレに対処できる態勢を整えることだと説明している。