ロシア国営企業、ポーランド経由パイプラインでの天然ガス供給を停止
(CNN) ロシア国営エネルギー大手ガスプロムは、ポーランドを通る「ヤマルパイプライン」を経由したロシア産天然ガスの供給を停止すると発表した。ロシア政府が多数の外国企業に制裁を科したことを受けた措置としている。
ガスプロムによると、ヤマルパイプラインのポーランド部分を所有するユーロポルガスが制裁の対象となっている。
ガスプロムは「制裁対象者の利益となる取引や支払いが禁止された。ガスプロムの場合はユーロポルガスが所有するガスパイプラインの使用が禁止される」と説明した。
ロシアとポーランドの間では天然ガスを巡り緊張が高まっている。先月にはガスプロムがポーランドとブルガリアのガス企業に対する供給を完全に停止したと発表。ロシア政府が要求した通貨ルーブルでの支払いに応じなかったためとしている。
地下ガス貯蔵施設の配管=4月27日、ポーランド南西部ビエシュホビツェ/Bartek Sadowski/Bloomberg/Getty Images
ヤマルパイプラインはロシアからベラルーシを経由してポーランドやドイツに延びている。欧州のエネルギー分析会社ブリューゲルによれば、同パイプラインが欧州向けロシア産天然ガスの供給に占める割合は小さく、ロシアのウクライナ侵攻開始以降は急激に減少していた。
ドイツのエネルギー当局者は本件が自国の供給に及ぼす影響を重視しない姿勢を示した。ロイター通信によると、この当局者は「ドイツに供給されるガスは何週間もこのパイプラインをほとんど通過していない」と述べた。