ロシア軍、ウクライナ人数千人を選別所に送致、数万人をロシアに連行 米政府推計
(CNN) 欧州安保協力機構(OSCE)のマイケル・カーペンター米大使は12日、ロシア軍が「少なくとも数千人のウクライナ人」をいわゆる選別所に送致し、「少なくとも数万人をロシアまたはロシア支配地域に退避させている」と語った。
OSCE常設理事会の議事録によると、カーペンター大使は、こうした強制移動や選別所で伝えられる暴力は戦争犯罪に当たると発言。「数々の目撃証言から判断すると、『選別』とは、暴行や拷問を行ってウクライナ国家に対してわずかでも忠誠心があるかどうか判断することをいう」と述べた。
OSCE米代表部は、この情報源については明らかにしなかったが、情報の内容や数字には確信があるとした。
カーペンター大使によると、被害者は選別所で屈辱的な検査を受けたと訴えている。
「ロシア兵はさまざまな角度から被害者の写真を撮影し、指紋を取り、身体検査を行ってタトゥーを調べ、携帯電話を検査して連絡先やデータを装置にダウンロードし、生体情報をさまざまなデータベースに記録している。場合によってはロシア兵にパスポートや身分証、携帯電話を全て没収されることもある」(カーペンター大使)
「ロシアに到着すると、一部のウクライナ人はロシアにいる友人や家族との滞在を認められるが、お金も書類もない人たちは列車に乗せられて何百マイルも離れた都市に送られ、ロシア当局によって仕事を与えられる」(同)
CNNは4月の調査報道で、ロシア軍や親ロシア派の兵士がマリウポリの住民をベジメンヌにある選別所に連行し、多くの場合、本人の意思に反してロシアに移送していると伝えていた。