OPEC、増産拡大で合意 ロシアの生産落ち込む中
ロンドン(CNN Business) 欧米の制裁でロシアの原油生産が減少し始めるなか、石油輸出国機構(OPEC)は今後2カ月間にわたって増産幅を拡大することで合意した。
7月と8月の供給量を日量64万8000バレル増やす方針。これはロシアを含む他の産油国との供給協定に基づく当初予定よりも日量20万バレル増える計算となる。
バイデン政権は「OPECプラスの重要な決定」を歓迎し、サウジアラビアがグループ最大の産油国として合意形成に果たした役割を強調した。
ホワイトハウスのジャンピエール報道官は声明で「今回の発表は昨年7月から実施されてきた現行の割り当て体制の終了を加速させ、当初は今年9月に予定されていた毎月の増産を前倒しするものだ」と指摘した。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は5月31日、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などが供給逼迫(ひっぱく)の緩和に動けるよう、一部のOPEC加盟国がOPECプラスの供給協定の停止を検討していると報じていた。供給逼迫の結果、世界の石油価格は今週1バレル=120ドル(約1万5000円)を超えた。
サウジはこれまで、ロシアや他の非OPEC産油国との間で合意した長期割り当てを超える増産を求める米国の要請を退けていた。だが、価格高騰で世界が景気後退(リセッション)に陥る可能性があるとの懸念が再考を促したようだ。