「ウクライナ国土の20%がロシアの支配下に」 ゼレンスキー大統領
(CNN) ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は2日、ルクセンブルク議会向けに行ったビデオ演説で、ウクライナの国土の5分の1がロシアに制圧されたと述べ、ドンバス地方は「ほぼ全滅した」と語った。
「今日現在で、我が国土の約20%が占領者の支配下にある。ほぼ12万5000平方キロだ。これはベネルクス諸国を全て合わせた面積よりもはるかに大きい」。ゼレンスキー大統領はそう語った。
前線では北東部ハルキウから南部ミコライウまで「1000キロ以上」にわたって戦闘が続いているとゼレンスキー大統領は指摘。ドンバス地方は「壊滅した」と述べ、同地は「かつて欧州で最も力強い産業中心地のひとつだった」と形容した。
さらに、戦争が始まってからの3カ月あまりで死亡したロシア兵は3万人を超えたと主張。「これは、ソ連の10年に及んだアフガニスタンでの戦争の死者や、ロシアの2度のチェチェン戦争の死者を上回る」とした。ロシア兵の死者数について、CNNは独立した立場から検証はできていない。
ゼレンスキー大統領は議会に対し、ロシアに対する制裁を強化し、前線のウクライナ軍を支援するための武器供与を増やすよう要請。ルクセンブルクのグザビエ・ベッテル首相にウクライナ首都キーウ訪問を促し、ウクライナを「実質的なEU(欧州連合)の一部」と呼んで、ウクライナのEU加盟を支持するよう議会に呼びかけた。