天然ガス不足のドイツ、太陽光発電の設置が急増
ソーラーパネルを扱うスマートフラワーの最高経営責任者(CEO)ジム・ゴードン氏は、地政学的な混乱もソーラー発電への切り替えを促進したと指摘する。同社はヒマワリの形をした太陽光発電装置を企業や大学、家庭に提供している。
「当社のビジネスが好調なのは、太陽光発電を後押しする要素が完璧なまでにそろっているからだ」とゴードン氏は語った。
「人々はエネルギーの安全保障を気にかけている。独裁者はガスパイプラインのバルブを開けたりエネルギー供給を止めたりできるが、太陽をコントロールすることは誰にもできない」とも述べた。
欧州の産業・エネルギー大手、シュナイダーエレクトリックによると、ドイツにおける同社の太陽光暖房システムに対する需要は今年に入ってから昨年の同時期と比べて「ほぼ2倍」になった。
クリーンエネルギー調達について企業に助言する同社サステナビリティー部門へのコンサルティングの依頼は「過去最多となった」という。
同様に、ドイツの太陽電池メーカーのゾンネンも「再生可能エネルギーで家庭の需要を賄いたいという要望が高まった」ため「注文が昨年の倍以上になった」とCEOのオリバー・コッホ氏は述べた。同社は需要に対応するために生産能力を継続的に拡大している。
しかし、このような好況に課題がないわけではない。業界は現在、深刻な人手不足に直面しているとシュナイダーエレクトリックは指摘する。電気技師の中には3〜6カ月先まで予約が埋まっている人もいるという。