食用の培養肉、米FDAが初の安全認定
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)が、人工的につくられた培養肉の安全性を初めて認可した。
安全性が認められたのは、米アップサイド・フーズが培養したニワトリの細胞から製造している培養肉。農務省による検査を経て、製品の販売が可能になる。
FDAは、同社から提出された情報を検証した結果、「安全性に関する同社の結論について、現時点でさらなる疑問はない」とした。
FDAの専門家は「細胞培養技術の進歩により、食品会社が家畜、家禽(かきん)、魚介類から採取した動物細胞を食品製造に利用することが可能になり、近い将来、そうした製品が米市場で流通する準備が整う見通しとなった」とコメントしている。
アップサイド・フーズ創業者のウマ・バレティ最高経営責任者(CEO)はツイッターへの投稿で、FDAから「疑問なし」の通知が届いたと伝え、「当社の培養鶏肉は食べても安全だという結論が受け入れられた」と報告した。
バレティ氏は今年、CNNの取材に対し、培養肉の製造はビールの醸造と同じようなもので、酵母や微生物を育てる代わりに動物細胞を育てていると語っていた。
培養肉の販売を世界で初めて認めたのはシンガポールだった。2020年、米新興企業イート・ジャストの培養肉を同国で販売することが認められている。
培養肉をめぐっては、食用に動物を殺す必要がなくなり、気候変動対策にも役立つと期待する声もある。
今回FDAが安全性を認めたのはアップサイド製の培養鶏肉のみだが、同局は培養肉を開発している各社と連携する用意があるとコメントしている。