米大手銀行団、苦境のファースト・リパブリック銀に資金支援 4兆円規模
ニューヨーク(CNN) 投資家や顧客からの信頼の危機に直面している米ファースト・リパブリック銀行が、大手銀行団から計300億ドル(約4兆円)の支援を受けることになった。
米財務省は16日の声明で大手行による支援を歓迎し、「銀行システムの強じんさを示すものだ」と述べた。
支援を行った大手行にはJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、トゥルーイストが含まれる。
ファースト・リパブリック銀行はカリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置く銀行。300億ドルの注入により、預金引き出しへの対応に必要な現金を提供するとともに、米国の銀行システムに対する信頼感を強化することにもつながりそうだ。
ファースト・リパブリック銀の広報はコメントを控えた。
銀行団は声明で、今回の行動は「ファースト・リパブリックやあらゆる規模の銀行への信頼感を反映している」と説明。「地銀や中小銀行は我が国の金融システムの健全さと機能にとって極めて重要だ」と言い添えた。
ファースト・リパブリック銀の株価は16日、価格変動の激しさから何度か取引が停止されたが、この日は10%あまり上昇した。
ファースト・リパブリック銀行の問題は、シリコンバレーバンク(SVB)やシグネチャー・バンクの経営破たん以降に続く銀行システムへの懸念を浮き彫りにしている。
ファースト・リパブリックを含む地銀の多くは、米連邦預金保険公社(FDIC)の保護上限25万ドルを超える額の保険対象外預金を大量に抱える。S&Pグローバルによると、保険対象外預金が全体に占める割合はSVBの94%とは開きがあるものの、ファースト・リパブリック銀も68%に上る。